山関係の本を読んでいて、「元料理人が作るビーフシチューのおいしい山小屋」として登場するのがマナスル山荘(現在は、ヒュッテ入笠と改名)だった。ゴンドラで1780mまでいくことができ、そこにはすずらんの群生地が広がる湿原がある。ここ数年の私の歩いてみたい山リストトップ3に常に入っていた入笠山とヒュッテ入笠へ。
車で片道3時間弱かかるため、できることなら1泊はしたいところだが、家族にそんなことは言い出せず…6時出発18時戻りとなった。今回は友人とその愛犬との2人+1匹。入笠山はとっても犬フレンドリーの山で、ゴンドラへもクレートに入れずに乗ることができ、山頂へも行くことができる。1日で何匹もの犬と遭遇した。
ゴンドラを降りるとそこはもう八ヶ岳を一望できる絶景が広がっている。苦労なくして絶景を味わうのはちょっとくやしいので、チラ見をして湿原をめざす。ほどなくして、すずらん群生地である湿原に到着。もちろん、春に咲くすずらんはおらず、代わりに秋色溢れた草紅葉の姿を見せてくれた。枯れた植物の姿を眺めながら歩き、木道沿いに15分もあれば渡れてしまう。さらにその先を進むと、ヒュッテ入笠と柵で囲まれた花畑エリアが現れる。花畑は翌春への準備段階となり、ちょうど野焼きをしている最中だった。。。。
ランチをするにはまだ早く、先に入笠山山頂を目指した。ここから山頂までの30分ほどは本格的な登山道となり、岩場を上っていく。ようやく体力を消耗する時がきて、きついな…早く終わらないかな…と考えはじめると、山頂へ到着。あっけないような気もするけれど、快晴の中の360度大パノラマを目にしたらやはり感動する。富士山だけはみれなかったものの、八ヶ岳、中央アルプス、北アルプス、いつか行ってみたい乗鞍岳もみえる。肉眼で憧れの山々を見れる幸せをかみしめた。
さて、ランチまではまだ少し時間があり、歩きたりないこともあり、山頂からさらに先にある大阿原湿原を目指すことにした。この決断が大正解。湿原が近づくにつれ、ひんやりとした湿り気のある空気へと変わり、気が付くと辺りの樹木には「サルオガセ」と呼ばれる地衣類がたくさん垂れ下がっている。空気中の水蒸気を吸って単独で育ち、寄生植物ではないらしい。諏訪でも同じものを見たことがあるけれど、ここのはよりたくさん、長く垂れ下がっていてまるでホラー映画。
さて、ランチまではまだ少し時間があり、歩きたりないこともあり、山頂からさらに先にある大阿原湿原を目指すことにした。この決断が大正解。湿原が近づくにつれ、ひんやりとした湿り気のある空気へと変わり、気が付くと辺りの樹木には「サルオガセ」と呼ばれる地衣類がたくさん垂れ下がっている。空気中の水蒸気を吸って単独で育ち、寄生植物ではないらしい。諏訪でも同じものを見たことがあるけれど、ここのはよりたくさん、長く垂れ下がっていてまるでホラー映画。
苔むした岩や倒木、ちょろちょろと流れる川、まるで北八ヶ岳にきたような雰囲気を味わいながら歩き続けると、3万年前に形成された高層湿原「大阿原湿原」に出る。この日一番の「わぁ~!」と思わず声が出た。ズミの低木と地表にはモフモフとしたコケ類、遠くには黄色や黄金色に色づいた木々。その中を小さな水が流れている。山の中にぽっかりと広がったその空間に、何度もため息をついてしまう。そしより、この静寂そのものな風景を私たち2人で独占してしまっていいものなのかと感じるほど、誰もいない。すっぽりと包まれるような安らぎに満ちた空間に、すっかり魅了されてしまった。
湿原の周囲は木道が通っており、できることなら歩いてまわりたかったけれど、今回の目的でもあるビーフシチュー山小屋のランチ営業時間が終わってしまう為、泣く泣く後にした。次回はこちらをメインに周囲を流れるテイ沢沿いを歩きたい。
ヒュッテ入笠までの道のりは、売切れ終了なこともありひたすらビーフシチューのことだけを考えながら歩いた笑。それでも、食べられない不安2割、8割は食べられる気がしていた。なぜなら、今日はあらゆることがうまくいっていたからだ。なんせ、あの湿原に出会えたのだから。予想は当たり、難なくビーフシチューをいただくことができた。大きな牛肉がゴロッと、おまけにほろっと崩れるほどに柔らかい。付け合わせの自家製野沢菜の漬物もおいしい。ごはんのおいしい山小屋でゆっくりのんびりと過ごし、あの湿原を心ゆくむまで歩く。イメージが頭の中でむくむくと湧き出てきたら、あとはそれを実行するのみ。
春から秋は山野草溢れる花の山、冬にはスキー場、マウンテンバイクのコースも通っている入笠山は、一見、華やかなレジャー山のように思えたが、さらに一歩足をのばすとまた違った一面もみせてくれる懐が深い山だった。
中央道諏訪南インター▶(10分)富士見パノラマリゾート山麓駅▶山頂駅▶入笠湿原▶入笠山▶大阿原湿原▶ヒュッテ入笠▶入笠湿原▶山頂駅
山ごはん:ヒュッテ入笠でビーフシチュー
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