今年初めに、やってみたいこととして「トレッキングツアーに参加する」ということをなんとなく考えていた。これまで、一人で、友人と一緒に山を歩いてきたけれど、未知の世界として、山のガイドさんに案内してもらいながら歩くということをしてみたかった。はじめてにして、ひとり参加。
選んだのは、以前に個人で歩いた森戸川源流エリア。何度も道に迷いそうになり、不安になりながらも友人と2人で歩いたエリアだ。「ガイドと探検!」のフレーズに惹かれ、自分で申し込んだにも関わらず、前日の夜から妙に緊張していた。見ず知らずの人達と山を歩く……、わくわくする一方で歩くペースや休憩のタイミングなど不安要素も盛りだくさん。それでも、行ってみたいという自分の正直な欲求を信じて眠る。
当日。逗子駅で参加者のみなさんとガイドさんとよそよそしくも合流。横須賀育ちの60近い男性ガイドさん、50代男性、70代おじいちゃん、50代同僚3人組、そしてわたしの計7名。みなさん、年相応に大人らしくスムーズにスタートし、どんどん歩いていく。野鳥が飛び交う深い林道、ちょろちょろと流れる森戸川。天気がよくてもあまり太陽の光が届かない道は、薄暗く少ししめっている。しかし、嫌な雰囲気はなく、しっとりとした静かな落ち着きのある道。途中、水量僅かな森戸川の中を歩きながら、次第に道は険しくなっていく。おそらく個人できていたら絶対に引き返すであろう道、その中を黙々とただ歩き進む。
ガイドさんが小刻みに小休憩を入れてくれ、歩く時のポイントやこの地域の説明を話してくれる。大人な私たちは、それに素直に従い、また歩きはじめる。基本、沈黙の時間が続くのだけれど、同じ”歩く”という目的をもっている者同士だからか、沈黙はまったく気にならない。心地よい。
気が付くと、谷底にいた私たちは稜線に出ていた。途端に風の温かさを感じ、光を浴びる。遠くには海が見える。木々が鬱蒼とする林道から、ちゃぷちゃぷと沢を歩き、草木をかき分け、気が付けば稜線にいる。改めて振り返っても、なんて変化に富んだ魅力的なコースなのだろうと思う。
トレッキングツアーの魅力は、個人ではなかなか踏み入る機会がない道、コースのおもしろさ、山の知識などを得ることができ、おまけにその時に出会った方々との縁もあるだろう。逆に、個人では感じない不便さ、窮屈さ、ストレスがあることも確か。それでも、山を知る扉のひとつとして、持っておきたいと思った。
ただ、やはりお昼休憩が短い!こればかりは不満。ここでゆっくりごはんを作り過ごしたい、そんな希望は、次への計画の糧にしたい。
1月はおそらく、家族の都合で山には行けないだろう。それをうらめしいと思わない為にも、年末ギリギリでも今回のガイドツアーへの参加はとても大切だった。納得して次に進もうと思う。
逗子駅▶︎川久保バス停▶︎森戸川林道▶︎林道終点▶︎中沢、馬頭観音分岐▶︎稜線▶︎馬頭観音▶︎東逗子駅
山ごはん:保温ジャーに入れた牛ごぼう丼(残りもの)、お湯
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