気が付けば4月。春はとっくに訪れているのになかなか山へ行けない。今週末ならいけるかもと思った時に、山サークルで「静かな山を歩こう」企画が上がっていたのでそこに飛びついた。
春の低山は、桜の時期となるとそれはそれは賑やかになる。山にきているのか人混みにきているのか分からない時もある。できることならそれは避けたい。今回のルートは、相模湖からはじまり陣馬山方面へ登り、でも陣馬山頂はふまずして途中それて下る。立派な眺望もなければ、特に目立ったゴールがあるわけでもない。それ故に人が少ないらしい。春の山の気配を感じるには十分ということ。
神社の急な階段からスタートし、いきなり相模湖全貌が眺められるポイントへ。桜は蕾をぷっくりとピンク色に染め、低木は一気に芽吹きはじめている。足元はまだ茶色い世界が広がっているものの、大好きなスミレが所々に咲いている。一重の白い花のヤマブキ、いかにも柔らかそうな若葉をたくさん出している低木がとても気になる。所々に小さな黄色の花をつけている。家に帰り調べてみると、たくさん見かけた木はクロモジのようだ。
今回、一緒に歩いたメンバーの皆さんは植物や森のちょっとした変化に立ち止まり、「これはなんだろう?」「かわいい~」「いいよね」と言いながら歩ける方が多く、なんだかとてもうれしい。はっと思う感覚が似ていると、リラックスしながら歩ける。
途中、明王峠にある今は営業していない小屋で休憩。そこで、ひとりのおじさんが大工仕事をしている。聞くと、ボランティアの方で、1年後を目安にこの小屋を再開すべく修繕しているのだという。山ではボランティアで動いている人をたくさん見かける。きっとそれだけこの山が好きで、誰の為でもなく、ただそうしたいからしているということなのだろうな。シンプルでいいな、と思う。
急登ありのアップダウンを繰り返しながら、いくつかのピークを越えて、帰りは沢が流れる舗道へと出た。民家の庭先にはカタクリも咲いている。ニリンソウも咲いている。出会ったことのない山野草が咲いている。その道を4人で歩いた。朝、会ったときははじめましての方たちと、数時間の山歩きを経てこうして歩いていることは、不思議なようで全く違和感を感じない。高尾駅行きのバスでは、久しぶりに歩いた疲れからウトウト眠ってしまった。いい1日だった。
※体力あれば、陣馬山や景信山まで縦走できるルート。このエリアは歩けば歩くほどおもしろい。
JR相模湖駅▶︎與瀬神社▶︎孫山▶︎大明神山▶︎吉野矢ノ音▶︎明王峠▶︎底沢峠▶︎陣馬高原下バス停▶︎高尾駅
山ごはん:夕飯の残りのケチャップライス、にゅうめん
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