▲歩く記録
行くつもりはなかったのに、秋から冬へと衣替えをする前にやはりどうしても山へ行きたくなった。急な誘いに快く応じてくれた方と共に、厚木にある白山順礼峠へ。
森林公園の中を経由しながら桜山を目指すのだが、橋や丸太がだいぶ苔むしていていい感じ。紅葉目的ではなかったけれど、まず迎えてくれたのが「もみじの森」。突如、現れる緑から紅色のグラデーションの世界にしばらくうっとりする。桜山までは約1時間ほどで到着し、上りらしい登りはここで終わり。後は尾根を歩き、白山、そして白山順礼峠へとコースがつづく。
途中、大きな倒木あり。根っこから見事に倒れている。一体どれだけの力が加わったのだろうか。自然の力の大きさに脅威すら覚える。
今回のルートは、白山以外は視界が開けるところは少なく、落ち葉が降り積もる雑木林の道をただただ歩く。その道はうす暗い箇所も多く、この日が曇り空ということもあり一層寂しさを増しているようだ。現に、1日ですれ違った人はたったの1人。こんな所で、もし1人だとしたら……何か事件(!)があったとしても誰にも気づかれずに数日がたってしまうのではないか?なんだか急に恐ろしくなる。
それでも時にぱっと空気が明るくなる所がある。見上げると葉を落とした落葉樹の隙間から空も見える。怖さから一気に解放され、安らぎを感じるような場所だ。ちょうどよい倒木に腰かけぼーっとすると、途端に木々の間を通りぬける風の音がする。遠くには日本の里山を代表するかのような、スモーキーカラーに色づいた山肌が見える。雑木の山が美しさを増す季節。
今回、一緒に行ってくれた方と歩きながらいろいろと話す。10歳ほど年は離れているけれど、「ようやくしたいことがやれるようになった」と好奇心のままにバリバリ動きまわっている姿は、なんだかとても頼もしい。近い将来がわくわくしてくるような気持ちにすらなった。やりたいと思った時に、やりたいことをする。シンプルなことだけれど、何歳になっても大切にしていきたい。
ゆっくりと7kmほどの道を3時間ほどかけて歩く。途中、休憩時間などを入れると5時間。下山すると七沢温泉に出る。珈琲豆を焙煎している店があったので、そこで1杯だけ珈琲をいただき、温泉につかりたい気持ちを抑え、すっかり暗くなった町を出た。
小田急本厚木駅▶バスで「飯山観音前」▶飯山観音長谷寺▶森林公園▶桜山▶白山▶むじな坂峠▶物見峠▶順礼峠地蔵▶七沢温泉▶「広沢寺温泉入口」バス▶小田急本厚木駅
山ごはん:塩鶏だしにゅ~めん+ゆず、おにぎり、お豆、いちじくの甘露煮
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