土地も決まり、あとは建築家を決定するまで!そうした状況の中で、小井田康和設計室へ伺いました。小井田さんのことは、建築雑誌でその自邸を拝見し、その「しっとりとした佇まい」にすっかり魅了されていました。調べると、事務所は同じ青葉区内にあることにもなんだか親近感を感じる。ただ、ただ、残念なことに、私がその存在を知ったのが2006年、今年が2012年。その間に、小井田さんご本人は癌のため亡くなられていました。それが2006年のこと。しかし、その事務所は現在も奥さま率いる以前の事務所のスタッフの方々で小井田さんの意思を引きつぎ続けていらっしゃるとのこと。ご本人がいないということはかなり気にはなりましたが、小井田さんの建築を隅々まで把握しているのはこの事務所しかない!ということで訪問することになりました。
小井田さんの自邸がそのまま事務所になっています。その自邸は、雑誌で見たままの佇まいで、緑に囲まれた雰囲気はなんだかほっとする。夕暮れ時の灯りがついた風景、きっと素敵なんだろうな。出迎えてくれたのは小井田康和さんの奥さま。気さくな方で、そのお蔭でまったく緊張せずにお話することができました。途中、事務所の方々も加わり、近所に連なる通称「小井田通り(小井田さんが建てた家が並ぶ)」を見学し、事務所ではお茶とお菓子をいただきながら和やかに話は進みました。奥さまが娘のためにミルクやらお菓子まで出してくれて…申し訳ない。おまけにスタッフの方も娘の絵描きに付き合ってくれて…。案の上、娘は相当楽しかったらしく、「小井田さんちいい!」といってます。小井田さんの家、既に築30年以上は経っているとのこと。確かに外壁などにはそれなりの古さも感じる。お風呂なども設備にも古さあり。しかし、床や天井などの木を使った箇所は「古びて汚い」というより、年月が経ったことにより艶が出てとても「味」があるものになっていた。建物のプロポーションにしても、まったく古さを感じさせないのはなぜだろう。家というものには、新築時に一番良い状態であるよりは、使いこんでいくうちに美しさを増していくものであってほしいと思っている。小井田さん家はまさにそれを証明している。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・事務所を訪れた印象としては、ものすごい強烈なインパクトはないけれども穏やかな、落ち着いたその佇まいにはなにかほっとするものを感じた。今後は、予算調整や敷地調査に進むことになりそうだ。
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